ベンシャーンの線

先日「ベン・シャーン」展の最終日に滑り込みで観に行った。

場所は神奈川県立近代美術館・葉山館である。

 

ベン・シャーンの絵は美術の教科書にも載っていたりして、子供の頃から好きだった。ベン・シャーンと言えば何といってもあの「線」。ギザギザしたような、あの「線」である。

 

今回多くの作品を観て感じたのは、「極細線がまたすごい」ということである。細かいフェンスやバイオリンの弦の描写など、1ミリ程度の間隔でフリーハンドの線を連ねてくる。揺れる手描きの味わいを出しながらも、それぞれの線が重なったり、途切れたり、などというミスは皆無である。

慎重で精密で、かつ大胆である。線描として無敵である。

 

ギザギザの線は、筆の滲みなどによる偶然性の「天然」なのか、装飾的な「作為」なのかをじっくりと観察したが、どうやら「天然」と「作為」のミックスであることが判明した。同じ絵の中に、かすれやにじみの部分もあり、明らかにギザギザを上から「作為」的に作り出している部分もあった。

 

シビレル「線」の魅力を堪能させてくれる「ベン・シャーン」である。

 

 

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