茅ヶ崎サザンビーチの目の前に、美味しいチーズケーキ屋がある。
チーズケーキが盛られたお皿の片隅には、塩コショウが添えられている。
それはレモンやブルーベリー、レーズン、生クリームなどと一緒に、美しくお皿に盛りつけられている。
チーズケーキにレモンをしぼって食べる。ブルーベリーやレーズンなどもチーズケーキと一緒に食べる。と、ここまではいいだろう。想像どおりに美味だ。が、次なる塩コショウは初めてだ。
これが、うまい。
甘さと塩辛さ、スパイスが絡み合う。
しかし、これは決して調和ではない。
対極する要素が互いの矛盾を抱えながら、共存する。そしてきらめく、爆発する。
どこかで聞いたことのある言葉である。
岡本太郎の対極主義である。
僕はこのような旨さを持つ料理を、「対極主義料理」と名付けている。
その事例としては、「柿と塩昆布と水菜のサラダ」「マスカルポーネチーズのメープルシロップがけ」などがある。最近よく見る、塩キャラメルなどもその一種であろう。
調和の旨さではなく、両者対極の緊張感から生み出される現象、旨味。
料理は、太郎の対極主義を理解するに、格好の材料である。
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