おきなわ2

「おきなわ」の続き、です。

ちょっと時間があいてしまいましたが。

 

那覇を拠点にして、象設計集団設計の名護市庁舎、今帰仁村中央公民館に行ってきました。これもまた、22年ぶりに見たわけです。

 

まず、樹木が大きくなっていること。それに感動する。

何十年という月日がまず、これに象徴される。

これは同じ象設計集団の埼玉県宮代町の進修館、笠原小学校を訪れた時にも、同じ感銘をうけます。圧倒的な植物の力に心打たれます。

ああ、年月がたったんだな。年月が経つとういうのは、こういうことなんだな、と思う。そして建築も樹木と一緒に、そこに居続け、年をとっていくのだな、ということを再認識するのです。

 

身内が設計したものなので手前味噌ですが、「良い年のとり方をしている」という印象です。三十年の年月を染み込ませて、既に遺跡のような雰囲気がある。例えるなら、使い込んで味わいを増してゆく革製品のようであり、これが象の建物の特徴であろうと思う。新築の時には決して分からない、象の建物の長所であろう。

名護市庁舎のアサギテラスには、植木鉢が溢れ、いつのまにか池が形成され、メダカが泳いでいる。テーブルや椅子がテラスに配置され、そこでは打ち合わせやミーティングが行われている。

 

権威的で閉鎖的な役所を徹底批判し、あらゆる立場の人々、植物、動物が混じり合ってゆくことをイメージした建築のコンセプトが、ここに確かに結実しているのを目撃した。